シュレディンガーの猫を見たことがあるでしょうか?

知っている人は
「あぁ、あれね」
知らない人には全く分からない話ですね。

簡単に説明するのは難しいのですが、
誤解を恐れず、すごーくざっくり説明すれば・・・

箱の中に猫がいて、
その箱はある条件下では
猫が死ぬような仕組みになっています。確率は5割です。
さてさて、
この箱の中に猫を入れて一定時間を経過した今、
この箱の中の猫は生きているかどうか、分かるかね君?

という話です。

どうです?
なんの話か分からないでしょう(笑)

現実には、
猫は死んでいるか、生きているか、どちらかです。
箱を開けなければ結果は分かりません。

しかし、量子力学的には
生きている可能性と死んでいる可能性が重なっているという状態の猫
なのです。
死んでいるし、生きている状態が共存しているみたいな。

「そんな猫がいるかよ!?」
というツッコミたくなる、量子力学のパラドックスです。

結局は箱を開けなければ分からないわけですが、
箱を開けたところで、
箱を開けた瞬間に死んだのかもしません。

まさに今、
箱を開けずに生きているか、死んでいるか
確認する方法はないのです。

たとえ実際にちゃんと正確な実験を行ったとしても、
観測して得られた結果は既に出た結果であり、
本当に知りたいことの、”観測の影響を受ける前の状態”ではないため、
実験結果そのものには意味がなく、
検証のしようがないということ、ということです。

えーっと、何の話でしたっけ?

さて、そろそろトレーニングの話を・・・
よくトレーニングに間違いはない、なんて言いますが、

実はあなたにとって、完璧ベストなトレーニング方法はあります。

最適なメニュー、最適な種目数、セット数。
最小の疲労で最大の筋肥大を得られる完璧なワークアウト。
this is the best!なレーニング
というのものは確実にあります。

でも、それは誰にも分からないのです。

今やっていることは
最適なのかもしれないし、最適じゃないかもしれない。
でも、それはどうやっても分かりません。

「あぁこれって、シュレディンガーの猫だな」と思った
ということを言いたかっただけです。

しかし・・・ここからが大事です。
最適かどうか分からないけど
一生懸命やれば、
そのトレーニングに対応するように体は発達する、
ということ。

ベストかどうかは分からないけど、それでもいいんです。

実は、
先日、背中のメニューを何種目やってるの?
というくらい背中の種目をやっている会員さんがいて、
「ちょっと種目多いよ」
と親切にアドバイスしようかな、
と思ったのですが、結局は
「まぁ、これはこれでいいか」と。

多分、あのセット・メニューは最適ではありません。
でも、あれだけやれば筋肉はつきます。

問答無用。
やれば発達する。

だから、「まあ、いいか」と。
フォームもできてるし、怪我しなさそうだったので。

ひょっとしたらあれが彼には最適なのかもしれません。
少なくとも自分の中では、
「これがいい!」
と思ってやっているはずです。

トレーニングは自分で納得しなければ意味がありませんし、
楽しくありません。

いくら正しいメニューでも、
疑問を感じながら、
嫌々やればば効果半減です。

逆に、他人から見て
「なんだこれ?」
という変な種目でも、本人にとって効いているのであれば、
それで良いのかな、と思います。

現実として、完全無欠なベストなトレーニングはありますが、
それがどれかは分からない以上、
自分の知識、感覚を信じてやる、というのがベストな選択だと思うんですよね。

猫が死んでいるか生きているか議論するより、
まずは箱を開けてみな、と。
開ければ何か分かるから。
ってことです。

頭でっかちで考えるより、
とりあえずやろうよ。
やれば変わるから。
ってことですよ。

もうすぐ秋です。

会員さんの頑張る姿を見ながら哲学的にふけってみました。