今回は、これまでと趣旨を変えて食事について考えてみますね。

「運動セミナーなのに食事ですか?」

との声も聞こえてきそうですが、健康と運動と食事は切っても切り離せません。
いくらい良い運動をしても、食事がダメなら効果半減です。

運動指導する立場ですが、
「体重を減らすなら、運動より食事ですよ!」
ということについてお話しします。

すでに知っていると思いますが・・・正常体重の人より肥満の方は病気リスク、死亡リスクは大きいです。
日常生活も体重があると、何かときついですよね。
夏は暑いし・・・

すでに多くの人はおそらく「やせたい」「体重をもうちょっと減らしたい」
と思っています。

そもそも過体重で運動すると心臓への負担が大きいですし、走ると足首や膝、腰への負担も大きいです。

結果として、運動をしてもすぐやめてしまう、ということになってしまいます。
その面からも過体重のまま激しい運動するのはお勧めできません。

そこで食事が出てきます。
食事については、あなたはもうすでに基本的な知識は持っているはずです。
基本は
「色々な物を腹八分。」
ですね。そして、
「食事を減らせば体重は減る」
ということも知っているはずです。

でも、次の事実は認識していないかもしれません。

「運動をしても体重は減らない」

・・・・

そうなんです。残念ながら。。。
だから、食事は大切、ということなんです。

運動によるカロリー消費は思っているほど少ないです。
例えば5kmのウォーキングやランニングでどれだけのカロリーが消費できるのでしょう?
ちなみに歩いても走っても、消費カロリーはあまり変わりません。

すごくざっくりな計算方法としては
距離に体重をかければいいです。
50kgの方であれば250kcalです。

体脂肪1kg減らすのに必要なカロリーは7200kcalです。
運動で250kcal消費すれば、体脂肪25g−30gくらい脂肪エネルギーになります。

1回25−30gくらいなので、月10回(3日に1回)走ればエネルギー換算で体脂肪250g−300g分。

毎日走れば1kgくらい減る計算です。
あくまでも簡易な計算ですが、ざっくりとこのくらいです。

きっちり1回5kmを月10日走ることができれば効果はあるでしょう。
1時間のウォーキングか、30分のジョギング。
それを今の生活に週3回プラスすることができるかどうか・・・

でも、ちょっと待ってください!
「今日は走ったからご褒美!!」
とドーナツ食べたら、エネルギー収支はプラスです・・・
5km走っても菓子パンやお菓子を食べたらマイナス効果ってことなんです!

「きつい運動しても意味ないやん!」と文句言いたくなりますよね。

知って欲しいのは、運動にはたくさんメリットがあるけど、”エネルギー消費という面では過度に期待しない方がいい”ということです。

他のメリットはたくさんあります。
血圧を下げるし、血管が丈夫になります。メンタルヘルスにも効果があるし、アンチエイジングにもなります。
ただ体重減少の効果はそこまで大きくない、ということ。

だからこそ、もし体重を減らそうと思うのであれば、運動でなく食事を変える方がいい、ということを言っています。

ご飯(お碗の大きさによりますが・・)1膳が250kcalくらいです。
1時間歩くか、ご飯を減らすか・・・
ほとんどの人にとっては、毎日走るよりご飯を減らす方がずっと簡単と思います。

食事で500kcalを減らすのはそこまで難しいことではありません。
例えば完食をやめる、主食を減らす、ビールをやめる・・・・色々な手段があります。

ライザップさんで一躍有名になった糖質オフも良い方法と思います。
この方法であればあまりカロリー計算は必要ありません。
(管理栄養士さん的にはNGでしょうが、ここは個人で見解が分かれるところです。)

「ダイエットは食事が9割」というセンセーショナルな題名の本が話題になりましたが、
まさにその通りです。
ただ単に痩せればいい、 というのであれば「ダイエットは食事が10割」と言っても過言ではありません。
そのくらいダイエットと食事は関係していますし、当然「健康」という面にも関わってきます。

今日のポイントは
1 健康になりたいのであれば、まずは体重を正常にしましょう。
2 運動によるカロリー消費は期待しない
3 体重を減らしたいなら、食事がすごく重要

ということです。