「倉園さん、ゴルフします?」
と聞かれたことがあるのですが、しません。
というのは、私の性格上やりだすと上手くなりたい性質なので、
練習ばかりして仕事をしなくなる恐れがあるのと、
休日などに家族をおろそかにしてゴルフに行くおそれがあるためです。
で、
「いや、やりませんよ。なぜかって___」
と上のような説明をしたのですが、何か引っかかってました。
どこかで聞いたことがあるな、と。
デジャブか・・・?
で思い出しましたよ。
オデュセウスとセイレーンの話を知ってるでしょうか?
これは、何となく名前で分かるとおり
ギリシア神話のオデュセイアという叙情詩の中に出てくる話です。
オデュセイアなんて、すごく長いので、もちろん直接は読んだことないんですが、
阿刀田高さんの「ホメロスを楽しむために」で知りました。
この人の古典シリーズは堅苦しそうな古典を独自に面白く解説してくれるのでオススメですよ。
さて、
知らない人のためにかいつまんで説明しましょう。
オデュッセウスという英雄がいて、
この人は悪い奴らを退治した凱旋途中にセイレーンの住む島の近くを通ることになりました。
このセイレーンというのはすごく美しい声で、聴くものすべてを惑わし、
催眠術のように遭難させ、そして喰い殺すという恐ろしい怪物です。
スタバの最初のロゴです。
セイレーンは結構、欧米では有名な怪物なようで、
知っていると、映画やドラマなど色々なシーンで見たり聞いたりすることがあります。
でオデュセウスが家に帰る途中にこのセイレーンの島を通るわけですが、
その歌声を聴くと、絶対そこに行きたくなるため、
船のマストにあらかじめ自分の体を縛り付け動けなくして、
なんとかその危機を乗り越える、という話です。
つまりこの話の趣旨は
「来るべき将来を予測して、こうなるから、
ならないように、あらかじめ準備してしておこう」
という話です。
何の話かというと、ゴルフとダイエットの話ですよ。
ほら、これって誰しもが経験することじゃないですか。
例えば、ゴルフにハマる恐れがあるから、ゴルフしないとか。
ダイエットで言えば、
コンビニに行くとお菓子を買いたくなるので、コンビニの近くを通らないとか、
甘いものが家にあると食べるので、最初から買わないとか、
おもちゃ売り場に、子供を近づけないとか。乗るなら飲まないとか・・・
人間というのは理性より感情の生き物なので、どうしても欲求に負けてしまいます。
子供なんてストレートな欲求の塊です。
絶対的に自己コントロールが下手なんです。
ただ、人間の人間らしいところは、じゃあ、と先手を打つことができることなんです。
マストに体を縛る必要はありませんが、
・最初からゴルフをしない
・夜食がやめられないなら、夜食を買わないようにする。
・そもそも夜食を売っている場所に行かない、
・財布を必要以上に持ち歩かない
などいろいろとあらかじめ自分をコントロールする術があります。
結局、ダイエットなんて究極的には自分をごまかす術なんですよね。
食べなきゃ痩せるのは間違いない。
じゃ、食べることができない環境を作ればいい!
ということなんです。
「予想ができるなら、あらかじめ手を打っておけ」
ってこと。
ギリシア神話の中にはこんな感じで、教育的な話が色々出てきます。
もしかしたら、そういうのを伝えるためにストーリー形式にして書いたのかもしれません。
また何かをきっかけに、思い出したら書きましょう。