クラソノです。

金曜の夜はセミナーを開催しました。

ーセミナー講師は誰?ー

今回のセミナーは
FRC Functional Range conditioningと言うコンセプトのトレーニングシステムのセミナーです。

講師は阿部勝彦氏。
アメリカのEXOSと言うトレーニングセンターにいた人で、知っている人はそれだけで、「ほぉ、スゲーな」となる組織です。

今は男子バスケットボール日本代表のトレーニングコーチをしています。
まぁ、結構と言うか、すごい人です。

会うまではすごく雲の上の存在なんですが、
トレーナーの世界はすごく狭いので、皆気さくな人が多いのです。

阿部さんや、前回来ていただいた友岡さんのような人でも、一度会えば同じ志を持つ者同士、と言う感じで付き合っていただけます。(多分・・・)

阿部さんはOPT MOVというのを提唱(?)しています。
Optimal movement つまり最適な動き、というのが阿部さんのテーマです。

facebookがこちら。→https://www.facebook.com/optmovforall/

と、講師の紹介はこれくらいにしてFRCの紹介をしましょう。

ーwhat is FRC ?ー

Functional Range というのは直訳すれば機能的に動かせる可動域、というイメージです。

FRCのコンセプトは、可動域をいっぱいのところで体を動かすことで、その位置でも機能的にコントロールして動かすことができるようになることを目標にします。

ヨガをする人で、めちゃくちゃ体が柔らかい人がいますね。
(ああいう人は特別だとは思うのですが)可動域が広い、柔軟性が高い、とい言われている人でも、その一番伸びきったところで、自分の体をコントロールできますか?荷重や負荷に耐えることができますか?ということがテーマになります。

体の柔軟性が人より高いことが良い、ということでなく、その人の可動域いっぱいのところでも体を思うように動かせることが重要、ということです。

FRCは色々なエクササイズを通じて
自分で動かせる可動域を広げ、その場所で神経系に体を制御する方法を教えることで、機能的な体を作っていくトレーニングシステムです。

最終的な目的としては、
自分の体をコントロールする能力であったり、体を動かす能力を向上させるためのものです。

なんだかんだ言っても、結局はそこに落ち着くのです笑。

最終的な目的は同じでも、他のやり方はいくらでもありますよね。

ある方法では重い物を持った状態で体をコントロールするトレーニングをしたり、ある方法では早く動きつつも正確な動作をするエクササイズであったり、また、ある方法では正確に動くことを通じて、自分の体をコントロールする能力を高めます。

FTCの場合は、可動域いっぱいのところでも、ちゃんとコントロールして動かせるようする、という手段をとる、いうことです。

じゃ、どうするか?

可動域いっぱいで動かすエクササイズをします。
FRC rails&pails , kinstrexh Carsなんてワードで検索すればたくさん動画が出てきます。

ーFRCの動画の一例を紹介しますー

こんな感じで。

阿部さんのinstagramでもやってます。
https://www.instagram.com/optmov/

ーヨガ的な観点ー

ヨガではかなりの動作が(普通の人にとっては)可動域いっぱいで動作をホールドするポースが多いです。

そこから動いていくヴィンヤサヨガというやつで、ゆっくりと今回のFRCのコンセプトを知りつつやると、ひょっとすると素晴らしいエクササイズになるのかもしれない、なんて密かに思っていました。

FRCヨガ!・・・ダメだ・・全く響かない

ヨガのポーズは無理をしない、快適な心地よさで、というのが原則ですのでそこまで無理強いをしません。

長い間やることで、少しずつね、、、という感じですから。
それより呼吸や動作に意識を向けて、観察する、ということが大事になるわけです。

今回はトレーニングなのでかなり無理をして動きます。笑
観察するというか、コントロールすることが大事になります。

やはりヨガとトレーニングはなんとなく、ちょっと違うんですよね。
でも共通している部分も多いというか。

両方やることで、違いが分かるのも楽しいですね。

可動域いっぱいで動くということを普段はあまりしないので、結構つらい。
だからこそ、やる意味があるトレーニングなんですけどね。

ー人の体のことなんて分からないー

あと、今回のセミナーの副産物で感じたことが、
人の体のことは分からない、ということです。

今回のエクササイズを通じて、姿勢を維持するために腹圧(IAP=intra-abdominal pressureのことね。)をキープするということが大事だったのですが、私としては
「あぁ、こういうの腰痛防止のエクササイズとしていいんだろうな、」
と思ってたのですが、腰痛持ちのTさんは腰が痛くなったらしく、、、
すでに腰痛持ちの人にはかなり負担がかかるエクササイズなのかもしれません。

この辺は腰痛持ちにしか分からないことだな、とも思いました。

自分で良かれと思って施す処方が、実は悪化させることになる可能性がある、ということを改めて感じました。

ートレーニングの世界はカオスなのだー

最後に、FRCというのはこれが完全なるトレーニングシステム、というわけではありません。

数あるスキル、考え方、エクササイズの中の一つ、ということです。

このエクササイズをやれば、全員のパフォーマンスが上がるか、というとそうではありません。
ひょっとしたら、何人かのパフォーマンスが上がって、怪我する数も減るかも、というくらいのものです。

これは全てのトレーニングがそうです。
万人に効果があるトレーニングなんてありません。

だからこそ、色々な考えを知る必要があると思っています。
色々な見方ができれば、色々な可能性を考えることができます。

良い医師は、あらゆる選択肢を考えてそこから消去法で病気を突き止める、ということを聞いたことがありますが、そんな感じ。

その病気を知らなければ、その答えに行き着かないのです。

関節可動域の話を知らなければ、関節に無理のあるエクササイズを処方するかもしれないし、怪我の原因について可動域に想いを巡らせることはないでしょう。

今回、またちょっと知識が増えましたし、考え方の確認ができたこともたくさんあります。

そして、この考えが今回参加していただいた方に知っていただけた、ということが何よりの収穫です。

次回は5月12日13日近藤拓人氏の感覚統合セミナーです。

多分、あなたが今まで考えたこともなかった観点のセミナーです。
興味のある方は是非!ちょい高いです。