その昔、昔の昔のそのまた昔の話、紀元前6世紀頃のギリシアにクロトンのミロという無敵のレスラーがいたそうです。
当時のオリンピックで6連覇をしたと記録に残っているらしいです。
つまりオリンピックで24年間無敵だったことになります。
谷亮子、吉田沙保里、葛西選手どころの話ではありません。
さて、彼がどんなトレーニングをしていたのかというと、、子牛を毎日持ち上げてトレーニングしたとのこと。
子牛が大きくなれば、それにつれてミロの力もついていく、というお話です。
忍者が何か植物を植えて、毎日その上をとびこす修行をしたという話に近いですね。
これはトレーニングの漸進性のことを言ってますが、こんなことは科学的な根拠を持ち出すまでもなく、経験的に感じているのだと思います。
ミロが弟子たちに何度も子牛を背負って実験を繰り返し、子牛を背負ってトレーニングすれば筋肉がつく、と分かった上でそんなトレーニングしていたわけじゃないでしょうし、忍者にしても同じこと。
この修行をやれば、どれだけ跳躍力が伸びるのか、確固たる証拠はないと思います。
今でこそ、科学的根拠やエビデンスなどと言われていますが、このブログでもこれまで何度も言ってるように、トレーニングについてのエビデンスはまだまだです。
子牛が毎日3kgづつ大きくなって、ミロの腕の太さが1mm大きくなったなんてことは記録に残っていません。
エビデンスや科学的根拠のないトレーニンングであってもギリシア彫刻や運慶快慶の仏像のような体は作れるのです。
トレーニングに科学的根拠は必要ない、とまでは言いませんが、結局はどれだけ本気で力を出せるのか、という一点に帰着するのです。
トレーニングの科学なんて、ほんとつい最近ですよ。
特に共産圏での人体実験の結果の産物です。
どの本や雑誌を見ても
10回できる重さを3セット
みたいなことを書いていますが、まあまあ参考にする程度で良いと思います。
間違いじゃないかもしれないけど、それだけじゃない、ということです。
「10回できる重さ」がそもそも分かりませんからね。
あ、そうですね、ついでに解説ですが10回できる重さを10RMと言います。RMとはReptation Max の略です。
今日と明日では体調も違うし、今日の10RMと2週間後の10RMも違うでしょうから。
10RMを3セットなんて言いますが、本当に1セット目が10RMだったら2セット目は7回か6回くらいしかできませんからね。
本当の10RMを3セットできる人なんていないと思います。
2セット目で10回できるのであれば、もはやそれは10RMじゃありませんからね。
私も色々と本を読んでますし、 NSCAの教科書をベースにしてはいますが、「まだまだ分からんことだらけでしょ?」というのは常に頭にあります。
一方、シュワルツネッガーはこんなことを言っています。
”筋肉はNOと言ったら私はYES!と答える。”
名言です。
科学を信じて細かな計算してトレーニングするより、こっちの方がよほど真実です。
でも、こんなのは科学的に証明できませんからね。
さて、ミロの話ですが、、
いや、実際無理だと思いますよ。牛を背負うなんて。
重さじゃないく、牛を背負うと言う行為が無理だと思います。
生まれたばかりの子牛ならまだしも、ちょっと大きくなったら暴れるでしょ?ウンチもするし。
いくら力があっても子牛を持ち上げてトレーニングはしてないないですよね。きっと。
まぁ、それくらい力があった、ということで。
と言うことで、本日は子供に大人気、ネスレのミロの由来の話でした。