最近、よく聞かれます。
「ピラティスやらないんですか?」とか
「ピラティスとヨガってどう違うんですか?」とか、
「どっちがいいんですか?」とか。。

ここ1〜2年くらい前から、ピラティスがブームになっています。
これはおそらく、いろんなマーケティング的な要素があって、すごく成功した感じだと思います。

おそらく、最初から日本に入ってくるのを想定していたわけではなく、
韓国のほうでプロモーションが始まって、そこで流行して、
それを日本の若い方たちが真似したり、参考にしたり、影響されたりして、
日本でも流行ってきている、という流れだと思います。

ホットヨガのLAVAさんもピラティス事業に着手し始めていて、
その流れに乗ろうとしている感じがあります。

ジム機具のメーカーの営業の人からも、
「ピラティス、めちゃくちゃ売れてますよ。クラソノさんもやりませんか?」
と言われることもあります。

ここからはあくまでも僕の私見ですが、
ピラティスもヨガも「正解」というものはありません。

「これが本当のピラティスだ」とか「これが本当のヨガだ」とか、
そういうのは基本的にない、という前提でお話しします。

いや、ピラティスについては本当のピラティスはありますね。

作った人も時代もはっきりしてます。

でも、今のピラティスの中でどれが本物だ、とかは言えない、ということです。

そもそもピラティスというのは、

「機能改善のための運動療法」

という認識を僕は持っています。

今はその枠を超えて、フィットネス的な感じになっている部分もあるのかなと。

ピラティス業界の奥深いところは、ちょっとわかりませんけども、いろんな人がいろんなことをやっていて、

「ピラティス」という名前の冠をもらって、いろんなことを仕掛けている、という印象があります。

だから、「ピラティスやってます」とか「ここはピラティススタジオです」というのを見ても、
それがどんなピラティスなのか、何のピラティスなのかは、すごくわかりにくい。

そういう状態で「ピラティスやりますか?やりませんか?」とか

「ピラティスっていいですか?」と聞かれても、

「いいやつもあるし、悪いやつもあるだろうね」

としか言えない。

ちゃんとした先生もいるし、ちゃんとしてない先生もいる。

それが現実だと思います。

だって、ピラティスのインストラクター養成講座とかって20時間とか30時間ですよ。

で、50万円とか、、

ピラティスは資格ビジネスなんですよ。

そういうのを知ってるので、「あまりしたくないな、、」ってのはあります。

ちなにに、

ヨガは200時間かけて30−40万円くらいなんです。。

ビジネス効率としては非常に悪い(笑

でも、インストラクターを育てないと、事業を大きくできないし、、というジレンマの中、身を粉にして頑張ってます。

手前ミソですが、ここでヨガを学べるってのはかなりお得だと思いますよ。

かなりのレベルなことをやってると思います。

200時間でも足りねーな、、

って思ってるのに、

20時間とかで人に指導するって、、マジか・・・恐ろしいな、、

って僕が思うのも理解してくれますよね?

基本的には、「本来のピラティスは機能改善のための運動療法」

という認識を持って、理学療法的な視点でやれば、

何かしら効果はあると思います。

「ここが悪いから改善したい」といった目的がある人にとっては、
ピンポイントでアプローチできるという意味で、
ピラティスは効果があるかもしれません。

なので、アスリートや競技者、タイムや重量などを争う種目に取り組む人には、
人によっては効果があると思います。


もちろん、効果が出ない人もいるでしょう。

怪我のリスクは少ないので、チャレンジしてみてもいいのかな、くらいな感じです。

そして、その時間対効果、費用対効果を鑑みてどうなのかな、、って。

ただし、一般の方がダイエット目的でピラティスをするとか、

骨盤矯正のためにピラティスをする、という場合には、

正直、どれくらい効果があるのかはわかりません。

というか、効果ないでしょうね、、

これはヨガも同じです。
だから僕は、「ヨガをするとこうなりますよ」とか

「このポーズをすればこうなりますよ」なんてことは、全く言いません。

そんなことはあり得ませんからね。

普通の運動として、体を動かして、
ストレッチして気持ちいいよね、というくらいでいい。
それがヨガやピラティスのいいところなのかなと思います。

その上で、ピラティスとヨガを比較して、
「どっちがいいんですか?」と聞かれても、
「それはあなたの目的次第ですよね」

「先生次第ですね」

という話になります。

ピラティスも基本的には、パーソナルでやるのが本来です。
グループレッスンは、あまり向いていないのかな、と思います。

本来的には。

もちろん、「ピラティスのような動きをするグループレッスン」
というのはあってもいいと思います。

でも、それをピラティスと言っていいのか・・

そして、そこで本来のピラティスの効果をそこできちんと得られるかというと、
それは難しいかもしれません。

別に「グループレッスンはダメ」というわけではありません。
でも、ピラティスの目的から考えると、ちょっと方向性が違うのかなと。

だから、僕自身はやりません。

もし僕がピラティスをやるとすれば、
このジムのような「セミパーソナル形式」でやると思います。

パーソナルは単価も高くなるし、
自分としてはあまり提供したいスタイルではないので、
先生が1人いて、2〜3人の生徒を見ながら
個別にプログラムを組んでエクササイズをする、という形がいいですね。

でも、まだそこまではやっていません。

なぜ、私がピラティスを取り入れないのか、というと、僕がトレーニングで大事にしているのは「日本語で言う“足で立つ”」ということなのです。


ピラティスにはそれがないんですよね。

日本語で言う「足で立つ」とは、
正しい姿勢でしっかりと地面を踏みしめて動くことです。
その意識がとても大事だと思っています。

ピラティスでもヨガでも「柔軟性が出ました」「改善できました」と言うかもしれないけど、
それで「実際に正しい動きができるか?」といえば、なかなか難しい。

あと僕は

「負荷をかけたい」という気持ちがあります。

自重ではわからない欠点もありますが、重りを持って動くと、自分の癖が出てきます。

例えば、20キロのバーでは分からないけど、
40キロ、60キロと持っていくと、
肩の偏りや、左右差が出たりします。

そういった動きの癖がわかるのが、
筋トレ、つまりウェイトを使ったトレーニングの良さです。

そして、「2本足で立つ」「しっかり床を押して、押し返す力を使って動く」、
「背中をまっすぐにして」「腹圧をかけて動く」といったことを
学ぶことができるのがトレーニングです。

だから僕は、まず一般の方には、
普通の筋トレで十分ではないかと思っています。

そのうえで、競技力を上げたいとか、
もっと専門的に体を整えたい、コンマ1秒を縮めたい、という人であれば、
ピラティスやヨガを取り入れてもいいと思います。

まずは筋トレで自分の弱点を明確にする。
そしてその弱点を改善する手段として、
ピラティスやヨガを使う、というのが効果的だと思います。

これは僕の私見なので、参考程度にしてください。
よく聞かれるので、自分の考えをまとめてみました。

というわけで、僕はピラティスはやっていません。
ピラティスの専門家でもありませんので、情報に誤解や偏りがあるかもしれません。

僕の場合は、ビジネス的にピラティスが儲かるからと言ってやることはありません。

筋トレ以上に効果的で、必要と思えば取り入れることもあるでしょう。

その際は専門の方にお任せできればと思っています。

ピラティスブームが一過性のものになるか、どうなのか・・

とりあえず、私は流行を追わずに王道を進みます。