私は本をよく読む方なようですが、残念ながらその本の内容を全て読んで覚える、なんてことはありません。
読みながら、何が書いているかをチェックしていくような感じです。
で、何かのときに「あぁ、あそこに書いてあったな」みたいな感じで、また読んだり、他の本で同じ内容が出てきた時に「あ、これ前もあったな」ということでだんだんと知識が増えていく感じです。
例えば、ここに健康に関する400ページくらいの本があるとしたら、本筋に関係ないことが半分以上です。
新しい情報は50ページくらいに収まります。その中でどうでもいいものもあるので、本当に役立つ情報は20ページ分くらいだと思います。
その中でも「アハ!」となるものは5ページくらいです。
つまり、20ページくらいは丁寧によむけど、あとの380ページ分についてはざっと流していることになります。
もちろん、まったく新しい分野の本や小難しい本はもうちょっときっちり読みますが、でも似たり寄ったりです。
先日
「EAT」
というそのままズバリの本を読んで「アハ!」と思ったのが、カロリーについての説明でした。
カロリーの隠された真実
僕らは当たり前のように食事を頭の中でカロリー計算してから食事をしていると思います。
で、摂取しすぎとか、足らないとか。。
この本によれば、このカロリーの考え方は今から約100年前1918年の「ダイエットと健康(カギを握るのはカロリー)」の著者である”物理学者”のピーターズ博士が主張したことがきっかけで、食べ物を数字にしてとらえるようになった、ということです。
ここでカロリーについておさらいがてら説明します。
カロリー計算基本のキ
1カロリーは1gの水を1度上げるのに必要なエネルギー量
と定義されます。
なんか分かるような分からないような感じですが、これが定義です。
たとえば、ある食品のカロリーを計測する場合は「ボンベ熱量計」というのを使います。
ものを容器にいれて、電気を通して燃やして、そのときに何度水温が上がったを計算する、という方法です。
加えてアメリカでは1990年に栄養表示が義務化されカロリー表示が求められるようになったことで(当然日本も追随して)今はアトウォーター係数というのが使われています。
それが僕たちの食事のたびに頭の中に浮かんでくるこの数字なのです。
炭水化物1g=4kcal
タンパク質1g=4kcal
脂質1g=9kcal
となっています。
摂取したカロリーの全てが吸収されるわけじゃない。
なのですが、、、
実際食べ物が体内で燃焼するのはちょっと違います。
まず、入ったものが全て燃焼する、なんてことがありません。
摂取したカロリー=体内に入ってくるカロリー
ではないのです。
消化や身体のプロセスの複雑さを無視して簡単に計算しているだけです。
便宜的に、というかそれしか方法がないのが現実です。
代謝能力も人により全く違うので、食べたものがどうなるかも人によって全く異なります。
個別差が生まれる5つの要因
この本では、こういった個別差が生まれる要因として
食事誘発性熱産生
消化能力
食べ物のタイプ
調理の仕方
腸内細菌
などを挙げています。それぞれ簡単に解説します。
・食事誘発性熱産生(DIT)
食事を消化するにもエネルギーが必要です。
一般に最もエネルギーを要するのはタンパク質だと言われています。
25g=100キロカロリーのタンパク質を食べたとします。
そうすると、それを消化するのに20−30%のカロリーが必要になります。
つまり、差し引き70−80kcalのカロリーが摂取・吸収されることになるのです。
ちなみに炭水化物なら5−10%、脂肪は0−3%です。
・消化能力
口や胃、腸で消化そして、吸収されるわけですが、これらの酵素の強さも個人差があります。
この食事を食べたらお腹が痛くなってトイレが必須、みたいなものがあれば、実際に吸収されているカロリーは少ないかもしれません。
・食べ物のタイプ
ここは結構意外かもしれません。
加工食品と自然食品でも燃焼カロリーが違う、らしいのです。
でも、まぁなんとなく分かりますよね。
未精製のものと精製された粉、どちらが多く吸収されるか、玄米がいいというのもこの辺かもしれません。
吸収されないことがいいのか、悪いのか微妙なところですが、人によっては大きく異なることがある、ということです。
・調理の仕方
調理の仕方でも違います。
これはなんとなく直感的に理解できます。
生か茹でか、焼く、蒸す、揚げる、、それによって食品の構造、化学的な性質、体内に取り込まれるカロリーなどに変化があります。
僕も以前、ホットケーキにプロテインを入れようとして、「これって大丈夫なんかな?」って調べたことがあります。
そのとき調べた結果は、変質する可能性があるからやめた方がいい、というのが結論でした。
・腸内細菌
これが一番影響が大きいと思います。
腸内細菌の多様性と体重増加の少なさと直接的な相関があり、エネルギー代謝の向上につながる、
ということです。
ヨーグルト、キムチ、納豆などの発酵食品とかは鉄板な食事です。
人工的な乳酸菌飲料みたいなのはほぼ砂糖ジュース的なものが多いので避けときましょう。
腸内細菌については未解明なことも多いですが、今後色々と分かると思います。
こんな感じで摂取カロリーだけを考えるのでなく、
何をどうやって食べるのか、
腸内細菌は増えそうか?
みたいなことを考えて食事をすれば、ダイエットの成功に近づくと思います。
またこれらはダイエットだけじゃなくて健康的な食事やパフォーマンスを向上させる場合でも必要な考え方です。
結論:
色々なものを食べろ!
(腸内細菌が育つぞ!)
人工加工物を減らして、できれば自然に近い形で!
(同じ炭水化物でも摂取されるカロリーは違うぞ!)
カロリーだけにとらわれるな!
(摂取されるカロリーは人によって違うぞ!)
ということです。
クラソノの意見
やっぱりね、色々な本を見ても
好きなものを食べて痩せたい、
というのはなしですね。
どうしても好きなものを食べたい場合は
好きなもの自体を身体にいいものに変えていくのがいいんじゃないでしょうか?
まぁ、ちゃんと考えて食事する、って習慣が大事だと思います。